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2010/06/10

梅芸「レベッカ」

先日、「レベッカ」大阪公演を見てきました。

「レベッカ」はとても好きな作品なので、大阪でも上演してもらえて嬉しいです。ライムントで4回、クリエで1回見たので、今回で6回目。(まだ数えられる回数しか見ていない、とも言えます。笑) 

さらっと感想を。

梅田芸術劇場 6月4日(金)

キャスト
マキシム・ド・ウィンター/山口祐一郎
「わたし」/大塚ちひろ
フランク・クロウリー/石川禅
ジャック・ファヴェル/吉野圭吾
ベン/tekkan
ジュリアン大佐/阿部裕
ジャイルズ/KENTARO
ベアトリス/伊東弘美
ヴァン・ホッパー夫人/寿ひずる
ダンヴァース夫人/シルビア・グラブ 他


キャストはシアタークリエで見たときとほとんど代わっていません(ベン以外)。今回はダンヴァース夫人が涼風真世さんとシルビア・グラブさんのダブルキャストになっていますが、私が見た回はクリエのときと同じくシルビア・グラブさんでした。
そんなわけで、感想も前とほぼ同じなのですが、「わたし」の大塚ちひろさんは前より声の伸びが良くなったような気がします。聞きやすくて良かった。演技でも前半のコチコチさが薄まって、より自然な感じに。(昔は四季以外は、歌えないアイドル等が主役クラスに突然出てきて、ガッカリ…!な状態になることも多かったですが、最近は本当にまともな女優さんがグッと増えましたね♪。日本のミュージカルのレベルも上がって来ているな~と感じます。)


舞台が大きくなったので、セットはかなり変わっていました。ホテルのシーンは明るくなったし、マンダレイのお屋敷のセットも正面に階段と額縁がついて(ウィーンのような螺旋階段ではないですが)豪華に。でも梅芸の舞台はちょっと広すぎるかな?という気がしなくもない。作品としては、ドラマシティくらい方が一番いいかもしれません。
良かったのは2幕の「♪レベッカ」のリプライズに続いて、ダンヴァース夫人が「わたしに」、あともう一方で…とけしかける場面。二人が乗った階段が回転し(客席側が窓の外に)、そこに波の映像が重なる、という印象的なシーンになっていました。海で亡くなったレベッカのイメージと、次の船の座礁の場面につながる、という意味も感じられる上、流れが自然でとても気に入りました。他の場面も、照明や風に揺れるカーテンなどが幻想的な(レベッカがそこにいそうな)雰囲気を醸し出していて良かったです。
だた残念だったのは、何度も出てきた白い女の人の影。レベッカをイメージしたものなのでしょうが、あれは完全に邪魔~~!レベッカのイメージは観客のイマジネーションに任せるべきですよ~。「レベッカ」が全く登場しないのに、亡き「レベッカ」実は一番の主役なのではないかと思わせるくらい存在感がある、というのがこの作品の要だと思うのに…。せっかく「レベッカ」をイメージした照明や効果がいい雰囲気だったのに、とてももったいない。


それから今回の注目ポイントは、新しく加わった"Zauberhaft natürlich"(邦題:幸せの風景)という曲。マキシムが、「わたし」をドライブに連れ出すシーンで、絵を描いている「わたし」を見ながら歌っていました。うーん…。
この新曲、誰が入れようと言い出したんでしょう??日本側?それともBW、WE進出に向けて、テコ入れのつもりで??事情はわかりませんが、無い方がいいのでは?。特に印象に残る曲でもないし、第一マキシムは、劇の終盤ならともかく、こんなところで「わたし」への思いを語ってはいけません。観客が「わたし」と同じ目線で、マキシムが何を考えているのかわからない、やっぱりレベッカのことが忘れられないのか…という不安感を共有しているからこそ、この作品はサスペンスたりうるのだと思うのですが…。"Gott, warum?"(神よ、なぜ)だけでも十分<ネタバレの危険あり>なのに(ミュージカルだから、主役クラスに歌わせるためには仕方ないのですが)、さらにもう一曲付け加えなくても・・・・。(#作者チームは、BWの「ヴァンパイア」で、ヘンに手を入れるのには懲りたのではなかったのか?)


終盤の火事のシーンは火を使った演出になりました。(そういえば梅芸のとなりは消防署なのだった。)でも、少し燃えているだけだし、ダンヴァース夫人が火をつけたりもしていないので、そんなに大迫力という感じではなかったです。ここは、火に包まれてマンダレイの屋敷が崩れ落ちる直前に、マキシムが「わたし」をかばいながら走り去るウィーンの舞台の方が緊迫感があって良かったような気が…。こういうところは舞台が広いとちょっと不利ですね。


それはともかく、舞台全体としてはとてもよく出来ていると思います。元の原作小説が面白いことももちろんもありますが、こういう心理サスペンスを上手くミュージカル化するのって、けっこう大変なのではないかと思うのですよね。歌って踊って、というのと、人の内面の怖さ+心理劇って相容れなさそうだし…。でも充分に楽しめるエンターテインメントに仕上がっていました。この作品、日本で上演されたウィーンミュージカルでは私は一番完成度が高い気がしています。どうしても二次創作的な匂いを感じざるを得ない日本版「エリザベート」と違って、演出は違えど、ごく普通の上演なので、安心して見ていられますし。定番作品として、今後も定期的に再演していただければうれしいです。


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