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2010/01/17

ミュージカル「蜘蛛女のキス」

土曜日、「蜘蛛女のキス」を見てきました。


ミュージカル「蜘蛛女のキス」

2010年1月16日(土) 梅田芸術劇場

脚本: テレンス・マクナリー
作曲・作詞: ジョン・カンダー&フレッド・エッブ
演出・訳詞: 荻田浩一

出演:
モリーナ: 石井一孝
オーロラ/蜘蛛女: 金 志賢
ヴァレンティン: 浦井健治
モリーナの母: 初風 諄
刑務所長: 今井朋彦
マルタ: 朝澄けい
ガブリエル/囚人カルロス/ダンサー: 縄田 晋
看守マルコス/ダンサー: ひのあらた
看守エステバン/ダンサー: 田村雄一
アウレリオ/囚人ライモンド/ダンサー: 照井裕隆
囚人フェンテス/ダンサー: 笹木重人
囚人エミリオ/ダンサー: 長内正樹
囚人/ダンサー: 辻本知彦


この間、「パイレート・クイーン」を見に行った際にもらったチラシを見て、ちょうどチケットの優待販売があったので、それならば、とチケット購入。昨日観劇してきました。
16日は大阪・東京公演を通しての初日だったので、オープニングナイトということで、終演後に出演者の皆さんがそれぞれの役の見どころ等を語るイベントがあり、ちょっと得をした気分です。


このミュージカルは93年度トニー賞7部門を受賞した有名作なので、<あらすじ>等は省略。


私も以前、近鉄劇場で前のバージョンを見ています。確か、2回見たような記憶が…。初演は東京公演だけだったと思うので、再演の時ですね。(プログラムによると再演は98年だったようです。)

このときのメインキャストは、モリーナ:市親正親、蜘蛛女/オーロラ:麻実れい、ヴァレンティン:宮川浩 の皆さん。ロンドンやブロードウェイと同じく、ハロルド・プリンスの演出でした。
その後、独自の演出が認められるようになって、2年前に荻田浩一氏の新演出で上演。今回はそのときの再演だそうです。(私は2007年の公演は見ていません。)

軍事政権下の南米の刑務所、という重たい舞台設定と、モリーナが空想する映画女優オーロラの映画のきらびやかな世界、刑務所での暴行、拷問なんていう陰鬱な場面と、モリーナが語る往年の名画のロマンティックな場面や華麗なダンスシーンが交錯する、なんとも独特な世界観の作品です。さらに、ここにオーロラが演じた役の中で、唯一モリーナの嫌いな役、死を象徴する「蜘蛛女」。オーロラが、映画の中のオーロラとして登場する場面と、蜘蛛女として登場する場面があり、その雰囲気の違いも楽しめる、という、ミュージカルの特徴、というか特権をこれだけ使い切った作品も少ないのでは?と思います。

出演者の印象。
まず、ゲイのモリーナ役の石井一孝さん。こんなに女っぽいゲイの役が似合うなんて…びっくりです。(私にとっては、「レ・ミゼ」のマリウスのイメージが一番強い。)もともとスッとした細面の顔立ちなので・・・本格的に女装しても似合うのでは?とか、余計なことを考えてしまいます。これはかなりの当たり役なのでは?と思いました。
オーロラ(蜘蛛女)の金志賢さんは、「キャッツ」のグリザベラ等で何度か拝見しています。いつの間にか劇団四季を辞められていたんですね。蜘蛛女の妖しくて迫力のある歌声がとても気に入りました。ダンスも上手い。(終演後のトークショーでも触れられていましたが、足が顔の前までパーン!と上がるのがすごい。)
モリーナに対して正反対の、マッチョな革命家のヴァレンティン、浦井健治さん。この人は、最初(多分「エリザベート」で見たと思う)、アイドル系?と思っていましたが、「TdV」見て、今回の「蜘蛛女」を見て、すっかり、実力派ミュージカル俳優ですね!と、認識が改まりました。(「エリザベート」のルドルフでは、ちょっとしか出てこないし、評価のしようがないのかも。)声もいいし、歌も上手い。


演出は、ショーアップされた感じの強かったハロルド・プリンス版より、演劇的な気がしました。あまり場面転換はなく、深い岩の間というか、洞窟の中のような装置が置かれていて、重厚な感じ。ときおり効果的に映像が使われていました。蜘蛛女登場シーンで、照明?で映し出される「蜘蛛の糸」が美しくて良かったです。

正反対の性格で、最初は反発していたモリーナとヴァレンティンは、様々な事件を経て、心を通わすようになっていきますが、最後まで行き違っているのがなんとも切ない。ヴァレンティンの恋人マルタも、モリーナからの命がけの電話に、ヴァレンティンのことを実際どう思っていたのか?(本当は迷惑がっていた?)と思わせる受け答えをしていて、それもやりきれないような…。最後のシーン(モリーナが見た映画の世界)が、彼にかかわった人々が幸福に映画館の客席に座っていて、主役のモリーナと蜘蛛女がタンゴ(ラストダンス)を踊る、明るい場面なのは好きですね。(これに対して、同じく、カンダー&エッブ作品の「キャバレー」は、暗黒そのものな終わり方。あれはあれでいいのだと思いますが。)


出演者は皆さんハイレベルで、ダンスシーンも迫力がありました。演技や歌にダンスが絡み、あちこち目移りするくらい凝っているので、出演者が13人しかいないのはちょっと意外な感じがします。(もっとたくさん出演されているように見える。)
オケ(というかバンド?)は生演奏。舞台上の見えない場所におられるようです。このミュージカルは音楽も良いですね。(私もCDを2種類持ってます。)

というわけで、やはりトニー賞7部門受賞作は奥が深い、と、その凄さを感じた観劇でした。



最後にタイトル曲の「Kiss of the Spider Woman」(by チタ・リベラ)をどうぞ。


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